月物語2 ~始まりの詩にのせて~
「あなたこそ、こんな時間に何を?」
「さぁ?俺も男だからな。」
獅子は真っ直ぐに花英を見てきた。
すでに引けの気持ちはない。
「お供、させてください。」
断られてもついて行く、という言葉を呑み込む。
暫く獅子の重い視線が降り注いだ。
いや、それは一瞬だったのかもしれない。
「まっ、お前ならいっか。」
「えっ?」
押しつぶされそうな空気から突然解放された。
「だからいいって。」
「本当ですか!?」
「そのためにはってたんだろ?
てか、よくこの道がわかったな。」
「賭のようなものでしたが。」