月物語2 ~始まりの詩にのせて~
「王宮で待ち伏せた方がわかりやすくないか?」
「いえ、逆に予測が難しかったので。
どの門から出たとしても、ここを通られる可能性は高いかと、ここで見張っていました。」
「ふ~ん。
で、馬はあるみたいだな?」
「銀も少々。」
「マジ!?
やるじゃん、やるじゃん!
俺の上司ってばさー、『お前ならその辺で食い物くらい採れるだろ!』って、ろくに銀も持たせてくれなくてさー。」
涙目の獅子に花英は苦笑した。
そして、思い出したように問う。
「てか、俺の任務、何で漏れてるんだ?」
『私が言ったとはご内密に』という明道の言葉が蘇る。
「花官ですから。」