月物語2 ~始まりの詩にのせて~
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「あれでよかったのですか?」
少女は笑顔を向けた。
明道は、背筋を伝う汗を感じてぞっとした。
「えぇ。」
冷たく澄んだ声が少女を大人びさせる。
「それで、一体あなたは何者なのです?」
少女はただ微笑んだ。
「本当に二人を助けられるのですか?」
「えぇ。」
少女は何を知っているのか。
「私は死ぬのですか?」
「いいえ。
だって、あなたは板状に並べられますから。
もちろんお二人も。
駒は、あの方を楽しませるだけのもの。」
ふふっと、少女は艶っぽく笑った。
薄暗い部屋に緊張が流れる。