月物語2 ~始まりの詩にのせて~
「きぁー!」
突然止まった進行に、礼は駱駝から滑り落ちた。
だがその衝撃はない。
「お怪我は!?」
朱雀が飛んできた。
張湯も慌てて駱駝から降りている。
「だっ大丈夫。」
砂がクッションの役割を果たしたようだ。
「張湯!お前。」
「申し訳ありません!」
「何だというのだ!」
「朱雀、大丈夫だからあんまり怒らないで。」
「あれだよ。」
駱駝に乗ったままの伯升が、遠くを見つめていた。