月物語2 ~始まりの詩にのせて~
明日には砂漠に入れる。
この調子だと、主上に追いつけるかもしれない。
主上を姫、朱雀を赤様と呼ぶことにしている。
王たちはうまく追跡を交わしているようだ。
獣を使った陽動など、なかなかやる。
だからこそ、こちらの追跡もやりにくかった。
だが、花英のおかげでここまでの道のりは順調である。
花英は頭が切れる。
切れすぎるほどだ。
どうして花官でいるのか気になったが、それは聞けずにいた。