月物語2 ~始まりの詩にのせて~
―2―
光燐にたたき起こされた。
「お召し替えです。」
言いながら、光燐の手がせわしく動く。
朝議の準備にしては早い。
女官もいつもより2人ほど多い。
一人は新しく筆頭女官になったものだ。
彩夏とは違い、少し太身の大らかな女だ。
本当に急いでいるようだったので、準備が終わるまで礼は何も聞かなかった。
光燐とは到着直ぐに会っているので、すでに礼の本当の姿を見ている。
礼のことを綺麗だと言った。
礼はそんなことはないと知っている。
それとも、外国のように美の観念が違うのだろうか。
嬉しいことにかわりないが。
ただ、身長の低さには驚いていた。
飛燕が高身長だったのもあるが、礼は百五十センチと小柄である。
朝食を詰め込まされていると、朱雀が入ってきた。