月物語2 ~始まりの詩にのせて~



官軍は、見て見ぬふりをしているのか、気付かないのか。



いや、両方か。



官軍の堕落が賊徒の巣をここまで大きくした。



国の上層部は腐っている。



何が天だ。



何が王だ。



宿屋に着くころには、冷たい空気が栄楽を包んでいた。



「すまぬ。」



店の主人が出てきた。



部屋はすぐに手配してくれた。



客足は明らかに少ない。




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