月物語2 ~始まりの詩にのせて~
伯升の上官が捕らえられている場所は、目星をつけてある。
だが、今回入牢した者は三人いた。
目星をつけているのは一カ所しかない。
そこに、上官がいればよし。
いなければ、また捜さなければならない。
四人倒すことは出来る。
けれど、あの向こうにいるのが、上官以外の二人だったらまずい。
警備兵が増えると面倒なことになる。
入口は一つ。
あの扉から入るしかない。
もうすぐ、先ほどの巡回兵が戻ってくる。
迷う。
入るべきか。