月物語2 ~始まりの詩にのせて~



ぞくり―――。



鳥肌が立った。



ぴたりと貼り着いている。



背後をとられていた。



何という手練れだ。



伯升は、腕には自信がある。



ぜひ、顔を拝みたい気分になった。



「そこにはいない。
こっちだ。」



背後にいた男が言った。



殺気はない。



はっと、ある話を思い出した。



確か、禁軍の将校にも就ける実力を持ちながら、清罪宮の門番をしている男。




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