月物語2 ~始まりの詩にのせて~
何となく、礼はその理由を知っている。
何の言い訳も用意せず、朱雀は来たのだろうか。
陽春と少し似ている。
「いいわ。
座って。」
礼は、テキパキとお茶の用意を始めた。
すると、慌てて朱雀が横取る。
本当に一体何なのだろう。
黙々とお茶を入れている。
礼は円形のテーブルについた。
四人用である。
朱雀からは何も話さなそうなので、礼が口を開いた。
「素朴な疑問一。」
朱雀がこちらに顔を向ける。
「いくつ?」
「百九十七歳です。」
―げっ。
礼の頬が引きつる。
生きた年月ではなく、その幼さに驚いた。