月物語2 ~始まりの詩にのせて~
「やっぱり、靴は、私のだけでいいわ。
長くあるいても疲れ難く、丈夫なもの。
風通しが良いとなおいい。」
―何だ、この怒涛の訳の分からない羅列は。
「あっ、そうそう。
はちまきとかってある?
化粧道具も必要ね。
旅って他には何が必要かしら。」
―旅?
「後の必要そうなものがあったら入れてちょうだい。
取り次ぎは、血死軍の伯升に、…って、聞いてる?」
「へっ?」
そこでようやく、金大好はこれが注文なのだと気づいた。