月物語2 ~始まりの詩にのせて~



「いったい何を…」



「あなたに言う必要はないわ。」



礼はぴしゃりと言った。



金大好が口を開こうとすると、王はまだ続ける。



「いい?
これは、内密にかつ速やかにやってちょうだい。
バレたら首を飛はすわよ。」



小さい身体から、黒い凄みが出た。



金大好の背に、汗が一粒流れる。



戻ってきた王は、とても小さくなっていたが、何か別のものが大きくなった気がする。



とにかく、金大好は首を縦に振った。



礼の執務室を出ると、詰まっていた息を盛大に吐いた。



―本当にいったい何なんだ?



金大好はすぐさま、用意を始めたのだった。




< 90 / 248 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop