月物語2 ~始まりの詩にのせて~
なるほど。
王ならば可能だ。
「できる。
鍵師を雇おう。」
「本当!」
「明日には手配する。
こんなとこでもたついている場合ではないからな。」
王が怪訝な顔をする。
「大丈夫だ。
こっちの仕事でよく使う者がいる。」
「足がつくのでは?」
朱雀が言った。
「いや、その辺は俺に任せろ。
仕事で使う者たちだから、守秘義務に忠実だ。
とにかく、杜廷尉に約束を取り付けろ。」
「わかったわ。」
「正午までには、こっちから行く。
合図を見逃すな。」