狂愛
それに……、俊は好んでいつも革靴を履いていた。
黒や茶、ネイビー色の物までたくさん持っている。
もしかしたら、本当に俊かもしれない……。
嫌な考えが頭をかすめる。
「まぁ、まだ分からないけどな。 コンビニの常連のオッサンとかかもしれないしさ。 美月一応美人だし」
「なにそのとってつけた感は!」
「ごめん、ごめん」
冗談めいた口調の悠木になんだかひどく救われた。
「とりあえず、大学もバイトも俺が送り迎えするよ。 それでちょっと様子見てみよう」
「えっ朝はいいよ! 大変でしょ?」
「心配しなくていいよ。 家近いんだし」
でもさすがにそこまで悠木を束縛したくなくて、言い返そうとしたが。
「俺がしたくてすんの。 分かった?」
そう言って頭を撫でられてしまった。
「…はい」
きっとそこらへんの女の子だと悠木に落ちてるだろう。
でも、私達はそんな間柄じゃないんだ。