狂愛

一ヶ月前までは駅前のレストランでウェイトレスとして働いていた。

9時には閉店だったからこんな時間にはならなかったのだ。


高時給で楽しかったけれど、そこで付き合っていた人と別れたので気まずくて辞めた。

そして今は、家から徒歩20分ほどのコンビニ。

やっぱり前の時給より下げたくなかったしね。



だけど、この暗闇は計算外。

夏の夜の独特の冷たさとはまた違うどこかひんやりする空気がまた気持ち悪い。



まるでこの世に一人取り残されたみたいだ。


ここにはそういう独特の雰囲気が漂っている。




「あ~早く家に着けー!」



祈りを込めて一歩一歩蹴るように歩いていると、その時――。




コツ、コツ、コツ、コツ……。



突然、真後ろから一定の靴音が聞こえてきた。



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