狂愛
暗闇の中の真実
日曜日、バイトもないのでバスに乗って駅前に行った。
ここはこの辺りじゃ一番大きなショッピングモールがある。
私は、日ごろのお礼にと悠木にプレゼントを買いに来たのだった。
あの一件の後、あたしは警察に行こうとした。
だがそれを悠木に止められた。
「今行ってもあんまり相手にされないかもな。 もう少し証拠を集めて犯人の特定をしてからにしよう」、と。
確かにストーカー被害といっても警察はなかなか腰を上げてくれないと聞く。
そう思い悠木の考えに賛同した。
「なにがいいかな~悠木っぽいものっと」
優しくて、温かくて、まるで太陽のような人。
彼のことを考えると胸がぎゅっと苦しくなる。
「いいもの見つかるといいなぁ」
何時間か色々な男性のお店に入ってみたが、いまいちピンとくるものがない。
どうしようかと迷っている時にぽんと肩に誰かの手が置かれた。
ゆっくりと振り返ると、そこには俊が立っていた。
アイツが俊かは分からないが、悠木がナイフで傷つけられたことがあるため、私の身体は完全に畏縮する。
怖い、逃げたい。
その思いだけなのに、目の前の俊はどこか挙動不審だ。