狂愛
「付き合ってる時、ひどいことばかりしてごめん。 それからそのあと何度もメールとかしてごめんな?」
「…うん」
「俺あの時、お前に言わなかったけど仕事あんまり上手くいってなくてさ、ちょっと精神的にまいってたんだ」
そんな気は…実は少しだけ感じていた。
別れる少し前から、職場で見る彼はいつもイライラしていたから。
「それが言い訳にはならないけど、ずっと謝りたかったんだ。 本当にひどいことしてごめんな」
頭を下げる俊。
その様子に嘘はなさそうだ。
でも、聞きたいのはその謝罪だけじゃない。
「俊、それはもう良いよ。 でもね…はっきり聞くけど…」
「うん、なんだ?」
「私のこと最近何回か…見にきてるよね?」
襲ってる、とはさすがに聞けなかった。