狂愛
「今日会えてよかったよ。 じゃあ、な」
「うん、バイバイ……」
店の出勤時間という俊は先に店から出て行った。
きっともう会うことはないだろう。
お互い痛い過去を持つのだから近くにはいられない気がした。
でも…犯人は俊じゃなかった。
彼が嘘をついているようにはどうしても見えない。
それに、彼は明らかにあの時の彼じゃない。
じゃあ、誰が――?
最初は自転車をパンクさせ、私が徒歩でバイトに行くしかできなくさせた。
その日に、アイツは私をつけ始めた。
次の週にも追いかけてきて、俊に電話をかけてる。