狂愛

「今日会えてよかったよ。 じゃあ、な」


「うん、バイバイ……」


店の出勤時間という俊は先に店から出て行った。


きっともう会うことはないだろう。

お互い痛い過去を持つのだから近くにはいられない気がした。



でも…犯人は俊じゃなかった。



彼が嘘をついているようにはどうしても見えない。

それに、彼は明らかにあの時の彼じゃない。



じゃあ、誰が――?



最初は自転車をパンクさせ、私が徒歩でバイトに行くしかできなくさせた。


その日に、アイツは私をつけ始めた。


次の週にも追いかけてきて、俊に電話をかけてる。




< 32 / 42 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop