狂愛
どうして、私と俊の関係を知ってるの?
どうして俊の店まで知ってるの?
それに悠木だってケガをさせられて――。
その時、頭に浮かんだ一つの答え。
でも考えたくない、気付きたくないもの。
違う、違う、そんなはずはない。
だってあの時、確かに……!
真実が分からない…。
手汗をおしぼりで拭き、私は店から出て全速力で走った。
頭上では灰色の雲が漂い、雷が遠くから聞こえる。
でもそんなものに構っていられない。
痛む心臓を押さえてバスに飛び乗り、目的地へと急いだ。
その間に雨が降り始め、窓ガラスを強く叩いた。
停留所で下りると、一気に私に雨が降り注ぐ。
冷たい…でも確かめなきゃいけない。
一軒のマンションに着き、震える手で部屋番号を鳴らした。