狂愛
「ゆう……き」
たくさんの涙が頬を流れる。
悔しいから。
悲しいから。
憎いから。
きっと全ての意味を持つそれを悠木はあの日のように優しく指で拭った。
だけど――。
「おやすみ美月。 次目が覚めるときはもう俺のモノだよ」
あの日とは違う痛いキスをして、私の手首とベッドを手錠で繋いだ。
視界がぼやけ始める。
もうダメ…。
「…や、めて……」
「大丈夫なにも怖くないよ。 これからずっと俺が側に居て、美月を愛してあげる」
「ゆ…うき……」
「一生、離してあげないよ」
にやっと妖しく笑う悠木を最後に私は意識を手放した。