狂愛

早く、早く、早く!!



その時、手に金属製の冷たいものが触れた。



鍵だっ――!!



それをぎゅっと握り締め、マンションのドアに差込み素早く中に入る。

ガチャッという音を立て、ドアは再び閉まった。



もうこれでアイツは入って来れない…!!



アイツとの間に一枚壁ができたことによって、安堵し一気に全身の力が抜けた。

玄関口の住人のポスト陰からゆっくりと外を見渡す。



一体誰がこんなことを……?


アイツはきょろきょろとマンションの近くで右往左往していた。


薄暗くてよく見えないが、長身で若い感じだ。

< 5 / 42 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop