狂愛
でも、仁の言うとおりだ。
嫌だからという理由で警察を避けていたら、またアイツに狙われるかもしれない。
今度は本当に何か危害を与えられるかも……。
「なぁ美月、俺が犯人捕まえようか?」
「悠木……」
目の前の彼は真剣な目だった。
「警察あんまり行きたくないんだろ?」
「そうだけど…危ないことさせられないよ」
「大丈夫だって、な?」
悠木は私を安心させるためににっこりと笑った。
悠木はいつもそうだ。
人のために動いて、その人が幸せになったのを見て喜んでいる。
そんな彼が私にとって癒しだった。
決して恋愛感情ではなく、ただの友達としてだが悠木の存在は大きかったのだ。