それだけでよかった
私の予想は外れない。
だから、高校に入ってからの私と冬樹なんて、予想出来ていたんだ。
それでも、冬樹に比べて、こういう自分は情けないと思う。
「おう、来た来た」
「……やっぱ、クラス帰るよ、邪魔みたいだし」
「なんだよ、ひとりで飯食いたいんだったらいいけどさ」
お昼にはもちろん、冬樹のところに行った。
友達という友達がまだいなかった私には、とてもいい場所だった。
何より冬樹の傍だから。
でも。
「冬樹ぃ、早く食べようよ」
「そんな子ほっときゃいいじゃーん」
いたたまれないし、苦しい。
「まじで食わねえの?」
冬樹が私を見る。
その眼差しも、苦しい。
「友達いないわけじゃないし。帰るよ」
こうやって、冬樹の優しさを振り払う自分も、やけに嫌で。