修行しましょう!
なにかお困りですか
思いきって大都会東京の大学に進学しようとしたものの、何かちょっと怖くて隣の横浜の大学に進学したのです。
東京よりは少し優しいイメージがあったからです。
可愛い子には旅をさせろと、お父さんとお母さんが愛娘である私を静岡の茶畑の町からの上京させたのです。
ありがたいことです。そして始めての一人暮らしなのです。
しかし色々な問題が待ち構えていたのです。
あぁこれが悩み多き青春!
と途方に暮れながらふらふらと歩いているとふいに声を掛けられたのです。
「お困りですね?」
見た目20代半ばの見慣れない服装に長いほうきを持ち、眼鏡をかけたスキンヘッドという。
「あぁ、お坊様ですか」
「なにやらぶつぶつと呟いてましたよ。何かお困りなのでしょう」
「あれ、ここは?」
「お寺の参道です。迷子ですか?」
「まぁ、色々と迷子のようです」
「昨日もそんな人いました」