修行しましょう!

横浜、戸塚、藤沢まで来ました。もうかなりクタクタです。みんなも口数少なくなりました。
それにも関わらず一人男の人が集団の中を走り回ってました。さすが、男の人は体力があるのですね。藤沢を抜ければ少しは楽になると友達が教えてくれました。坂道がなくなり平坦な道になるようです。
休憩地点でバナナとか飴とかおにぎりや飲み物をもらって再び歩き始めました。
みんな黙々と歩みを進めています。
そして友達同士励ましの声を掛けながら歩くようになりました。知らない人まで声をかけたりかけられたり、自己紹介したり出身地の事を話したり、だんだんと会話が復活してきました。新しい友達が増えていきました。そうすると嬉しい気分になり、疲れを紛らす事ができました。そうして何とか藤沢を抜け茅ヶ崎までたどり着きました。
湘南の海の匂いがしました。

そして不思議な事がありました。
そこら中で高田先輩を見たのです。でもすぐいなくなるのです。マボロシでしょうか?建物の影で見つけたり、草木の中に見つけたり、遠く丘の上で見えたりしていました。
それですぐいなくなるのです。
でも私はそのマボロシを見る度に少し元気になれたのです。
< 20 / 50 >

この作品をシェア

pagetop