修行しましょう!

その後も私はいろんな影から茂みから撮影を続けた。
黄色の腕章を付けた何人かが私を探しているようだったので、歩く集団を追いつつの逃亡劇であった。
森田さんはいつも何かを探しているように歩いていた。その歩行ペースは群を抜いていた。しかも楽しそうに歩く。
途中田村さんからメールが入った。
「工作に失敗。逃げ切れ。絶対に捕まるな。次の手はすでに打ってある」

私はひたすら隠れ、逃げ、そして追った。
二ノ宮辺りで足を捻って倒れたが、さらに歩いた。

そしてとうとう八時半には小田原の小田原城駐車場に到着した。
ゴールした。
私はその場に崩れ倒れ大の字になった。
曇り空、星は見えない。

すると向こうから部員がやって来るのが見えた。
二年生と三年生の
吉野、山本、星野、高見だ。

「高田先輩、お疲れさまです。先輩ごと回収します」

と私は四人に担がれ回収され黒のワゴンに放り込まれた。

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