修行しましょう!
大船観音を知ってますか
それからの私はいつもボンヤリしていました。
講義に出てはマシマロのようなあくびばかり食べ、
アルバイト中には夕刊をお買い上げのお客様に割り箸をお付けしたり、気が抜けたような生活をしていたのです。
何か足りないから
張り合いがない。
生きている気がしないのです。
ずっと寝てしまっている感じなのです。
「そんな状態なんです。お坊様」
「無の境地に近づきましたな」
「そんな所へ行きたくありません」
「親元を離れての生活が少し落ち着いてきてホッとしてる時期なんじゃないですか」
「さぁ」
「一種の燃え付き症候群のようなもんです」
「五月病ですか」
「そんなあなたに良い所があります」
「無の境地ですか」
「大船に行きなさい。東海道線か京浜東北線で行けます。」
「大船ですか」
「大船観音様がいらっしゃる。できれば東海道線で行きなさい」