修行しましょう!
田村さんに治癒してもらった足は驚異的な力を発揮した。
まるで飛ぶように階段を駆け上がった。
私は急いで着替えをし、四台のカメラを回収した。
しばらくすると森田さんが現れた。
「あ!高田先輩」
「やぁ森田さん」
「高田先輩!観音様を見ませんでしたか?」
「観音様なら、ほらここに、大船観音が」
「いえ違います。人間サイズのミニチュア観音様です」
「なんの事ですか」
「時々人に見える、観音様の妖精です」
「あ~、それね。話は聞いた事ありますよ」
「本当ですか!」
うまく誤魔化せれば良い。
森田さんは色々質問してきた。適当に誤魔化して話した。
森田さんがショックなのは、観音様の妖精に首をかしげられた事だという。
「そんなに私、何か問題があるのでしょうか?どうなんでしょう、高田先輩」
としきりに聞いてきては、私の話に誤魔化されていた。