修行しましょう!

私の携帯に、知らない人からメールがありました。

「初めまして森田さん。会ってお話がしたいので、東神奈川駅前のKANAカフェまでいらっしゃい。すでに待っています」

とありました。

これが世に言うナンパ!?出会い系詐欺!オレオレ詐欺ではありませんか!

しかし私はあわてません。
対処法を知っているからです。
無視です。
高校の時の先生に教わりました。
さっそく役に立ちました。ありがとうございます先生。

私は無視しました。
しかし次の展開をワクワクもしていたのかもしれません。
なぜなら、その後何も無かったのが、少しガッカリした気持ちになったからです。

まぁ、詐欺野郎を退治してやったぜ!と思えば少しは嬉しくなりました。


「森田さん」

高田先輩です。

「最近何か変な人が現れなかったですか?」

「高田先輩のマボロシとか大船観音の妖精ですか」

「あ、いや違う。背が高くて細くて、手足が長くて指も長くて、肌は白くて髪は長いきれいな黒髪で、キレ目の小さい口をしてる人です」

「変な人ですか?それは美人な人です。」

「確かに!しかし変な人なんです。もしそんな人が君に声をかけてきたら、無視して逃げなさい。そして私まで報告してください」

「はい…分かりました。だけど…」

「うん?だけど…なに?」

「何でなんですか?」

「森田さんを守りたいからです」

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