修行しましょう!
星が去った後、聴衆はライヴ演奏をしていたバンドを振り返った。
「あ、いや、なんでしょうかね、今の。俺たちの仕掛けではないんすよ」
と困っていた。
星の発した声は女の子のものだった。
突進された若い男も怒りというより謎に包まれたという感であった。
私は市立図書館に本を返しに日ノ出町に向かった。
すると、さっきの星が、次々と人に体当たりを喰らわせているのが見えた。
通りは緊迫している、というより謎に包まれていた。
「星に当たったね!これでアナタも幸せ!」
通行人はみんな、星に注目していた。
私はその星を追った。
こんな事に心当たりあり。
田村さんに電話したが、留守電だった。
おそらくあれは、
森田さんであろう。
日ノ出町駅前交差点まで行くと星は場外馬券売り場に向かう人混みにも突進、体当たりを開始していた。
「星に当たったね!これでアナタも幸せ!」
何人もの人が星と衝突し、中には転倒した人までもいた。
妙な異変を察知した交番のお巡りさん二人がが星に近付き、星を捕獲した。
しかし星はウニウニと身を変形させお巡りさんの強靭な腕から身を離させると、桜木町方面に驚異的な速さで逃げて行った。
私は後を追ったが
星はもうどこにもいなかった。