キミに 届けたくて。
#始まり
*涼花Side*
あたしはこの春
高校2年生になった。
春なのにまだ肌寒い中
南川高校の始業式が始まった。
校長先生の話を終えて
いよいよ担任発表の時間が来た。
生徒たちは
皆 胸を高鳴らせながら
教頭先生の話に耳を傾けた。
「えぇ1年1組は…………
………………………………
2年2組は今年から新しく
入った数学科の 水野 廉先生。」
「よろしくお願いします。」
そう言って挨拶をしたのは
若くて爽やかな男の先生。
体育館のいたる所から 黄色い声が上がる。
これがあたしの
大好きな人との出会いでした。