名探偵と父親
そういえば
今日は、中途採用の社員が入ってくる日である。
見かけは高校生位に見える女性が一人。
なかなか可愛い。
無口ではあるがよく働く女性であった。
女性が聞いてきた。
「結婚をされてるのですか?」
と。
どことなく女性の目が熱っぽい。
なるほど、自分に惚れているのだ。と理解した。
女性の目は、綺麗な、
緑色だった。
そういえば、妻も、こんな綺麗な緑色の目をしていたな。と、思いだした。
この女性は、妻に少し似ている。
「妻は、亡くなったよ」
私は答えた。
「愛しておられたのですか?」
女性は、私に問い掛ける。
そう、私は妻を愛していた。
だが、妻は、浮気をしていた。
自分のものにしたいと。
妻を殺した。
「ああ、愛しているよ」
女性は悲しそうな顔をした。