37度の微熱
「だからさ…」

晋司が話を続けようとしたとき、俺の隣にいる弥生の様子が変だ。

弥生を見たら、顔が真っ赤で今にも泣き出しそうな顔をしていた。

手には酒。もう3缶目だ。

俺は、それですべてを理解し今にもよろけそうな弥生を支える。

「弥生!?お前飲みすぎだろ!」


弥生に話しかけてもうろたえな返事しかできないみたいだった。

口を手で押さえ、今にも吐きそうな顔だ。



「大丈夫かよ!?…晋司!水ない!?」


その光景に冷静な晋司も慌てだし、周りのメンバーも目を丸くしている。

きっと俺と晋司が話している間、ずっと飲んでいたに違いない。


「これ使って!」


突然、さっきまで晋司とイチャイチャしていた女が弥生を心配して水を持ってきた。

「弥生!水飲めるか?」

俺は弥生の友達が持ってきた水を差し出すが弥生は苦しそうで、顔を横に振る。



「…気持ち悪い…」

弥生は口に手を当てて、苦しそうにつぶやいた。

「トイレ!トイレ行くか?」


吐きそうな弥生に聞いてもうまく喋れないのか首を横に振るだけだ。


「…大丈夫っ」


三缶目を続けて飲むのは俺さえも辛い。
まして、初めて酒を飲む奴には相当きついはずだ。


「喋れなかったら喋んなくていいから」

俺は少し冷静になって、弥生の背中をあやす。

「うん…ごめんねっ」


それから俺は弥生と一緒に外に出て、弥生の酔いが覚めるまでずっとそばにいた。
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