37度の微熱

「今日、弥生と一番最初に話した男の子が安輝君でよかった…」
にっこり笑ってゆかは言った。


「これからも弥生をよろしくね?」

「あ、うん」

俺もにっこりほほえみ、お礼を言った。


「話してくれてありがとうな」


「ううん。安輝君は知るべきだって思ったから…」



ゆかはそう言って次に歌う曲を決めている。





俺は少しの間呆然と、目の前の壁を眺めていた。


そして後悔をする。



少し、しくじったかな、と。
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