37度の微熱
何十回起こしてもなかなか起きない弥生をとうとう俺はあきらめた。

このままここにいちゃまずい。

そう思った俺は、弥生を支えながらもカラオケ店を出る。


こんなになるまで酒を飲んでいたなんて…。



こうなったのも全部晋司のせいだ。



「俺…まじで今日ついてねえかも」




つーかこれからどうしたらいいんだろう。

送るとか言っても俺は弥生の家を知らない。

チャリはパクられてないし、晋司はゆかを乗せて今頃ラブラブ自転車デートでもしてるに違いない。


タクシーを拾う金すらない。



とりあえず、歩くしかないと思った俺は弥生をおんぶして夜の街を歩く。

人気もない通りはただ暗くて、住宅街に入ればどの家も電気が消えていた。





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