37度の微熱
「あたしね、今日彼氏に振られたの」


泣いているからか弥生の声が震えている。



「今日で付き合って丸一年経つ彼氏だったんだ…
幼なじみで、同じ高校なの…。
家が近くて、親同士も仲が良いからなんだか帰りずらくて…」



おれは、泣きながら話す弥生の隣で静かに聞いていた。




だからあんな嫌そうに家に帰りたくないって言っていたんだな…



「好きな人ができたんだって…
笑っちゃうよね…っ…」



弥生は泣いているところを見られたくないのか
顔を隠すようにうつむきながら涙を流す。




「泣いていいから!」




俺は気が付けば弥生を力強く抱きしめていた。


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