37度の微熱
なぜなら俺の学校は県内でも頭の順で比べれば明らかに下から数えたほうが早い。

普通の公立高校で、校舎はボロイし、歴史すら特にない。


簡単に言えばバカ高校だ。

ましてや俺の高校なんて耳にピアス、頭髪なんて普通のことだ。

服装だって聖鵬生みたいにボタンを全部止めて腰パンしていないなんて俺には耐えられない。


仮に俺だって、髪の色は茶色だし、服装やピアスも毎日、生徒指導の板倉に注意されるぐらいだから相当悪いんだと思う。


成績だって下から数えたほうが明らかに早い。


けど、これが今の高校生だったら普通だ。バカみたいに秀才ばかりで金持ちしかいない聖鵬の奴らと一緒にされたら困る。



高校なんてだるいでけど、晋司もいて、それなりに楽しい高校生を送っているんだから。



「弥生の親って何してるの?」

俺は少しひきつった顔で弥生に尋ねた。

「え?たしか、お金を扱う会社の社長だったかな?」


俺の予感はみごとに的中してしまった。


俺、こんな遅くまで弥生を連れ回してしまったけど大丈夫か…?

そう考えるだけで悪寒が体にしめつく。



っていうか振り回されたのは俺だけど。




「今日はありがとう。
初対面なのに、優しくしてくれて…本当にありがとう」

切なそうに笑いながら俺にお礼を言う弥生。


優しくしてくれて?


違う。同情じゃねえよ
< 35 / 68 >

この作品をシェア

pagetop