37度の微熱
「…何もねえよ」


弥生のことはもう忘れた方がいい。


もう関わらないって決めたから。


「…ふ~ん」

晋司は、何かあったんだな、という目をして俺に訴えている。


「それより、よく付き合えるよな」

俺は話題を変える。

「え?」

晋司の頭には、?マークでいっぱいだ。

「ゆかって聖鵬だろ?
俺らと違って、頭いいし、金持ちじゃん」

「…あー。
でも、俺は気にしてない」

「なんで?
俺は嫌だね。自分より地位も、権力も、なにもかも上な彼女なんて」



俺には耐えられない。



「…俺も最初は気にしたよ。
けど、告白されたとき、その悩みはすぐに消えたんだ。
なんていうか…、好きなら…関係ねえよなって」


そう言った晋司がすごく大人に見えた。

晋司は、ゆかに本気なんだ。
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