37度の微熱
俺の背中にぶら下がりながら朱里は笑っている。


「遠慮しとくー」

そんな冗談に俺も冗談で返す。


これが俺たちの普通のやりとり。


「そう言うと思った~!朱里はいつでもOKだからね」

「ってかお前、彼氏いるだろ」

「だって最近放置なんだもん」

「ふーん」

俺達が別れた理由はお互いに自由になりたかったから。

朱里に対して恋愛感情なんてなかった。


「安輝は気になる人いるもんなー」


突然、晋司が俺たちの会話に割り込んできた。

そして晋司の言った言葉に俺もまた、目を丸くする。


「え!?安輝誰!?
うちの学校??」

そんな晋司の話に食いついてくる朱里。
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