37度の微熱
「でもそいつらだけだって。
聖鵬にもいい奴いるよ」

俺は晋司をかばうように朱里の話に口を出した。


「え~?まぁ、そうかもしんないけどさ…
あ、早くしないと1限目始まるよ!
じゃぁ、先言っとくから早く来てよね」



朱里は少し不満がありそうな顔でそう言って小走りで
教室に向かって言った。



「…なー安輝」

少ししてから晋司が真顔で俺を呼んだ。

「うん?」


「やっぱ俺たちの学校と聖鵬が付き合ってたら
おかしいよな…」


朱里のいったことに気にしているのか
晋司の声のトーンが低い。


「…俺、思うんだよね。
確かに俺たちバカだし、見た目もチャラチャラしてて端から見れば不良だよ。
でも、俺たちが聖鵬生と付き合うのを抵抗があるように、向こうも俺たちと付き合うのに絶対抵抗があるわけだ。だって秀才がバカと付き合うようなもんだぜ?金持ちが貧乏と付き合うようなもんでもあるよな。

だから、ゆかは晋司を本当に好きなんだよ。
向こうは全然気にしてねえと思うよ?」


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