37度の微熱
「あ!聖鵬の女!」

後ろから朱里がチャリを動かして近づいてきた。

「安輝~どうしたの?
…っていうか、なんで聖鵬がいんのよ」


「朱里、やめとけ」

もともと朱里は気が強い。昨日言われたことを、根に持っているのか、
聖鵬の制服を見た瞬間顔つきが変わった。


「だって、むかつくんだもん!あなた何?なんでいんの?!」

「あの…」

朱里の気迫に弥生もさすがに驚いている。



「朱里、言われた人とは違うだろ。そいつは関係ねえよ」

「…そうだけど…。…安輝の彼女?」

「違うから。もう行こーぜ」


俺は弥生を無視して、通りすぎた。

「おい!安輝!お前ちょっとあれはひどいよ。あの子、多分ずっとお前を待ってたんだよ。何があったかは知らねえけどさ、聖鵬が俺たちの高校に来る気持ち考えたら、かわいそうだよ。あの子も、肩身狭かったと思う。俺たちが聖鵬の前で待つように…」



「…分かってるよ!
でも、これでいいんだよ…」

「安輝…」

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