37度の微熱

「しょうがねえな。今回は許してやるよ。」

晋司はいつものように笑って言った。


「マジ!?さすが親友!
じゃぁ、チャリ借りるわ!」


「ちょっと待て。チャリを貸すことは許してねえ」

「…は?」

「お前、俺が合コン知っててそれに乗って帰ろうとしたんだろ?
俺がお前を見つけないままお前はそれに乗って家に帰ってみろ。

おれは今日合コンに行けなかったんだぞ?

それなのに、お前は親友の大事な用事より自分のことだけ考えたわけだ」


「だからごめんって。それは許してくれただろ?」


「ああ!許した!でも、その借りを返してもらう。」


「…は?意味が分からねえよ」



「…今日はお前に合コンに参加してもらう。」



俺はこの言葉に目を丸くした。

俺が今説明したことをこいつは聞いていたのか?

晋司…お前、それは俺を許してねえのと一緒だよ…

そして、お前…俺が人生一大事だってのに、お前こそ自分をとるんじゃねーかよ…

お前…矛盾してるよ。

俺は切なく、少し笑いながら自分の心に言う。そして思うのだ。



俺たち似すぎだな。
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