モノクローム
どんな人。か…

私は受け取らないと言ったばかりの袋から、必要な物を取り出しつつ寝静まってるベッドのほうを見る。
死んでるんじゃないかと疑うくらい、シロの寝息は静かだった。

バスルームへ行く前に、テーブルにある携帯を手にする。
メールボックスを開いて、あの人に伝えようと考えて手を止めた。

もう、返事は分かってる。
あの人なら、間違いなく【マジで?】と返すに決まってる。
その後のやり取りも想像出来てしまうくらいだ。
そして、絶対あの人は言うんだ。

代われるなら、代わってやりたいよ。と…


あの人、彼女は優しいから絶対そう言うに決まってる。

私は携帯をテーブルに戻し、バスルームへ向かった。
お風呂はさすがに気が引けるので、シャワーを借りる事にした。
全てを手早く済ませ、パジャマに着替えてリビングへと戻る。

再び携帯を開くと、時間は既に23時を過ぎていた。
シロは依然として眠ったままである。
ふっくらと丸みを帯びた布団の形を見ながら、私は想像していた。

未来からロボットがやって来て、画期的な道具を出してくれればいいのに。
そして、0時に起こすと彼女に代わってたりなんかして…


なんて、馬鹿な想像だろう。
これじゃ、小学生以下の妄想だ。
だけど、そんな馬鹿な妄想をするくらい、私はずっと考えていた。


もしかしたら、彼女が首謀者なんじゃないかと。
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