モノクローム
シロは着替えを終え、両手で軽く髪型を整えると、テーブルの前に座り、携帯を取り出して確認しながら首を鳴らし、つまらなさそうに溜め息を吐いた。


「そういやさ、連絡した?親とか身内とか…」

「…え?」


彼が何を探ろうとしてるのか分からず、私は続きを待った。

「リリーって、親も身内も疎遠だったっけ…」


口角を上げ、不敵な笑みを浮かべながら彼は徐々に真相に迫って行く。


「そんな怖い顔すんなって。悪いようにはしないからさ」

「じゃ、こんな…」

「それは、お互いの為」

「お互いの為?」



追いかけていた真相が迷走し始める。
シロはタバコに火を点け、そのまま手を止めた。


「まだ分かんねぇ?」

「…何が?」

「前に言わなかったっけ…本名」

「え?」


「…ほら」


そう言って差し出されたシロの携帯には、私と同じ名前があった。


「これ…」

「そう、俺」


明らかになった真相は思いもよらない物だった。
彼の携帯に恐る恐る手を伸ばし、開かれた送信履歴を見て行く。
それは確認する間でもなく、紛れもない事実が記されていた。


【シロって男の子。貴女の知ってる人でしょう?】




誰か…

誰か、どうしてこんな事が起きたか教えて下さい。
出来れば、これからどうなるのかも…


ふと目線を上げると、シロが柔らかく微笑んでいた。
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