モノクローム
東京タワーが消灯する時、願い事をすると叶う。
彼は何を願うんだろう…
私は何を願うだろう…
食事を終えて部屋に戻り、二人で窓辺に立って街を見渡した。
どちらともなく手を繋いで、広がる景色を見つめていた。
目線は違うけど、同じ物を見てる。
なんでだろ
すごい切ない。
辛いとか、そんな言葉じゃなくて
ただ、切ない。
「なんかさ…」
「なに?」
「なんか…分かんないからいいや…」
こんな時、何かを言葉にすれば嘘に変わってしまう。
私も彼も、それを知ってる。
だから、今は時間が来るまでは
この手を離したくない…
ダメだ。
彼の事が好きかもしれない…
今頃気付いた。
私は彼に惹かれてる。
離したくない。そう思うのに、その手を解いてしまった。
行き場のなくなった手が尚も彼を求めて、シャツの裾を掴む。
「ハル」
自分でも分かるくらい震える声。
彼は一息吐いて言う
「ハル、じゃなくて、シュン」
「シュン…」
「まぁ、どっちでもいいけど。あ、ちなみに名字はシロカワ、じゃなくてシラカワね」
彼は少しふてくされたように言いながら、私の手に指を絡めた。
多分、これから彼の正体が明かされる。
そんな気がして強く手を握り返してた。
彼は何を願うんだろう…
私は何を願うだろう…
食事を終えて部屋に戻り、二人で窓辺に立って街を見渡した。
どちらともなく手を繋いで、広がる景色を見つめていた。
目線は違うけど、同じ物を見てる。
なんでだろ
すごい切ない。
辛いとか、そんな言葉じゃなくて
ただ、切ない。
「なんかさ…」
「なに?」
「なんか…分かんないからいいや…」
こんな時、何かを言葉にすれば嘘に変わってしまう。
私も彼も、それを知ってる。
だから、今は時間が来るまでは
この手を離したくない…
ダメだ。
彼の事が好きかもしれない…
今頃気付いた。
私は彼に惹かれてる。
離したくない。そう思うのに、その手を解いてしまった。
行き場のなくなった手が尚も彼を求めて、シャツの裾を掴む。
「ハル」
自分でも分かるくらい震える声。
彼は一息吐いて言う
「ハル、じゃなくて、シュン」
「シュン…」
「まぁ、どっちでもいいけど。あ、ちなみに名字はシロカワ、じゃなくてシラカワね」
彼は少しふてくされたように言いながら、私の手に指を絡めた。
多分、これから彼の正体が明かされる。
そんな気がして強く手を握り返してた。