モノクローム
手紙なら大丈夫。
その言葉を聞いた私は、直ぐさまコンビニに向かった。
けれど、それを手にしただけで棚に戻して自宅に帰った。
何を書けばいい?
伝えたい事や話したい事は山ほどあるのに、いざ書くとなると感情的になりそうで躊躇ってしまった。
程なくして夫が帰宅し、いつものように食卓を囲み、無言のまま食事を口に運ぶ。
「早かったね…」
「………」
「年末は忙しいの?…」
「………」
まるで親の機嫌を伺う子供みたいに、一方的な会話だった。
夫はテレビと新聞に目を配り、時々箸を浮つかせながら食事をして、一度たりとも私を見ようとはしない。
あの事があったから…
違う。
前からそうだった。
結婚して三ヶ月程はそれなりに世間一般の仲のいい夫婦だった。
それが半年もしない内に夫は変わり、段々と会話が無くなって、ついには応えてもくれなくなった。
それでも…
「最近、調子はどうだ?」
「…大丈夫」
「そうか…」
それでも、些細な優しさを感じる時もあった。
その些細な小さな出来事があるから、ずっとそれだけを信じて暮らしていた。
それを物ともせず、打ち砕いたのは他の誰でもない夫の方だった。
その言葉を聞いた私は、直ぐさまコンビニに向かった。
けれど、それを手にしただけで棚に戻して自宅に帰った。
何を書けばいい?
伝えたい事や話したい事は山ほどあるのに、いざ書くとなると感情的になりそうで躊躇ってしまった。
程なくして夫が帰宅し、いつものように食卓を囲み、無言のまま食事を口に運ぶ。
「早かったね…」
「………」
「年末は忙しいの?…」
「………」
まるで親の機嫌を伺う子供みたいに、一方的な会話だった。
夫はテレビと新聞に目を配り、時々箸を浮つかせながら食事をして、一度たりとも私を見ようとはしない。
あの事があったから…
違う。
前からそうだった。
結婚して三ヶ月程はそれなりに世間一般の仲のいい夫婦だった。
それが半年もしない内に夫は変わり、段々と会話が無くなって、ついには応えてもくれなくなった。
それでも…
「最近、調子はどうだ?」
「…大丈夫」
「そうか…」
それでも、些細な優しさを感じる時もあった。
その些細な小さな出来事があるから、ずっとそれだけを信じて暮らしていた。
それを物ともせず、打ち砕いたのは他の誰でもない夫の方だった。