モノクローム
そのうち、社員割引で大量に買ったタオル生地のハンカチも使わなくなり、タンスにしまう頃。
外では雪が降っていた。
カレンダーはもう12月を記している。
先月、亜矢が会社を辞め、別れ際に結婚式の招待状を貰った。
彼がお店を出す事が決まったらしい。
もう、一年か…
再びカレンダーに目をやり、日付の迫る結婚式に慌てて段ボールを開いた。
確か、一昨年買ってそれっきりの黒いワンピースがあったはず…
そんな時に限って見つからず、携帯電話まで鳴らされて半ばパニック状態で出ると亜矢だった。
「はろー」
相変わらずの明るい声に呆れながら「はろー」と返す。
「忙しかった?」
「え?あぁ…大丈夫」
亜矢には悪いと思ったけど、私は適当に相槌を打ちつつワンピースを探していた。
タンス、クローゼット、果てはカラーボックスまで捜しながら、結局段ボールに戻って一枚ずつ取り出して眺めてる時
「で、予約取れたから…」
「ごめん、亜矢。後でかけ直す…」
「うん。じゃ、後でね」
なんで
なんで、こんな時に出てくるんだろ…
私が見つけたのは、黒いワンピースなんかじゃなく、白いワンピースだった。
春の匂いが残る真っ白なワンピースと、使わなくなった肩掛け鞄が胸を締め付けた。
もう、忘れたと思ったのに…
外では雪が降っていた。
カレンダーはもう12月を記している。
先月、亜矢が会社を辞め、別れ際に結婚式の招待状を貰った。
彼がお店を出す事が決まったらしい。
もう、一年か…
再びカレンダーに目をやり、日付の迫る結婚式に慌てて段ボールを開いた。
確か、一昨年買ってそれっきりの黒いワンピースがあったはず…
そんな時に限って見つからず、携帯電話まで鳴らされて半ばパニック状態で出ると亜矢だった。
「はろー」
相変わらずの明るい声に呆れながら「はろー」と返す。
「忙しかった?」
「え?あぁ…大丈夫」
亜矢には悪いと思ったけど、私は適当に相槌を打ちつつワンピースを探していた。
タンス、クローゼット、果てはカラーボックスまで捜しながら、結局段ボールに戻って一枚ずつ取り出して眺めてる時
「で、予約取れたから…」
「ごめん、亜矢。後でかけ直す…」
「うん。じゃ、後でね」
なんで
なんで、こんな時に出てくるんだろ…
私が見つけたのは、黒いワンピースなんかじゃなく、白いワンピースだった。
春の匂いが残る真っ白なワンピースと、使わなくなった肩掛け鞄が胸を締め付けた。
もう、忘れたと思ったのに…