モノクローム
まだ、その人とは話しもした事がないし、ましてや顔なんて一度も見た事がない。
知ってるのは凜とした後ろ姿だけ。
短い髪を耳に掛ける仕草に胸が鳴った。
それが始まりで、ずっと見てるばかりで声を掛けようか迷ってる。
こんな事を秋に言ったら、何て言うのかな…
でも俺は、その人に惹かれてる。
それだけは確かな事。
だから、今日はその人に話し掛けて見ようかと思う。
多分、「変な奴」と思われるのがオチだけど。
俺はタバコを携帯灰皿に入れ、屋根にビニールを掛けて梯子を降りた。
それから少しだけ前髪を整え、軽く作業服を払って公園に向かう。
すごく緊張して、喉から心臓が出てくるんじゃないかと思った。
そのうち変な汗まで出て来て、呼吸まで乱れ始めていた。
一旦そこで足を止めて深呼吸する。
視線の先には、はっきりと後ろ姿が見えている。
そんなに遠くないのに、なかなか足が前に出ない。
その人はまだ空を見上げている。
雲一つない
一点の曇りもない空に押されるように足を進め、意を決して声を掛けた…
知ってるのは凜とした後ろ姿だけ。
短い髪を耳に掛ける仕草に胸が鳴った。
それが始まりで、ずっと見てるばかりで声を掛けようか迷ってる。
こんな事を秋に言ったら、何て言うのかな…
でも俺は、その人に惹かれてる。
それだけは確かな事。
だから、今日はその人に話し掛けて見ようかと思う。
多分、「変な奴」と思われるのがオチだけど。
俺はタバコを携帯灰皿に入れ、屋根にビニールを掛けて梯子を降りた。
それから少しだけ前髪を整え、軽く作業服を払って公園に向かう。
すごく緊張して、喉から心臓が出てくるんじゃないかと思った。
そのうち変な汗まで出て来て、呼吸まで乱れ始めていた。
一旦そこで足を止めて深呼吸する。
視線の先には、はっきりと後ろ姿が見えている。
そんなに遠くないのに、なかなか足が前に出ない。
その人はまだ空を見上げている。
雲一つない
一点の曇りもない空に押されるように足を進め、意を決して声を掛けた…