モノクローム
今日は良く話し掛けられる日だな…
私はそのまま足元に落ちる薄紅色の花びらを見つめる。
むせ返るような春の匂いに息が詰まりそうになった。
少し大人びた声
タバコの煙り
少しだけ見た未来
途切れてく会話
ただ涙を流した。
不意に感じる温もりに目をやると、少し焼けた左手が見える。
節の目立つ頼りない手を辿りながら目線を上げると、黒い髪の先が金色に染まって綺麗だった。
「飯…食いに行こっか」
「……うん」
「そうだ…今度、手紙書くわ…」
「……うん」
「返事…早く書いてね」
「分かった…」
懲りずに今も見上げる空
茜雲の隙間から覗く太陽
ずっと独りだった帰り道
真っ直ぐに伸びた一本道に二つの影が寄り添う。
近所から子供の歌声が響いていた。
END....
私はそのまま足元に落ちる薄紅色の花びらを見つめる。
むせ返るような春の匂いに息が詰まりそうになった。
少し大人びた声
タバコの煙り
少しだけ見た未来
途切れてく会話
ただ涙を流した。
不意に感じる温もりに目をやると、少し焼けた左手が見える。
節の目立つ頼りない手を辿りながら目線を上げると、黒い髪の先が金色に染まって綺麗だった。
「飯…食いに行こっか」
「……うん」
「そうだ…今度、手紙書くわ…」
「……うん」
「返事…早く書いてね」
「分かった…」
懲りずに今も見上げる空
茜雲の隙間から覗く太陽
ずっと独りだった帰り道
真っ直ぐに伸びた一本道に二つの影が寄り添う。
近所から子供の歌声が響いていた。
END....