空色ブロッサム


‐椿side‐


「どういうつもり?」



 二人が見えなくなったのを見計らって、海翔に問いかける。



「…何のこと?」

 案の定しらばくれる彼に苛々が募る。


「ふざけないで」


「別に、ふざけてないよ。ただ、大事な恋人の家族と、仲良くしたいって思うのはおかしいことかな?」


 そう言って、苦笑いを溢す彼を、何も知らない他者が見たら、恋人を大事にする『理想的な彼氏』にしか見えないのだろう。


 ―――そう、何も『知らない』人から見たら……



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